数値例2. 各 が期待値 の指数分布に従うとき, はガンマ分布( ,指数 )に従い,期待値 である.仮説は とする. , とすれば, であり となる.実はちょ うど となるように値を選んである.
数値例1と同様に計算を行うと,
から が推定される.確率値は
である. に比べれば に 近いものの,必ずしも精度が高くないことが分かる.
前節では正規モデルを仮定していたが,一般の指数型分布族では
と書ける.ただし は両辺の誤差が で あることを表す. は加速定数と呼ばれ,確率モデルの性質と から定まる量である.正規モデルでは の分散行列が単位行列に 固定されていたことが本質的であり であった.一般の指数型分布族で は, の法ベクトル方向に関して, を動かしたときの分散の 変化率が に反映されている.
Efron (1987)のABC法によれば,3個の幾何学的な量 を用いて 不偏な確率値は
と表現される.一方,前節の方法で計算した確率値は
であり, だけ誤差が ある.これを補正するために, を推定する必要がある.