数値例1や2では厳密に不偏な確率値が容易に得られたが,一般には次のように確 率値を与えると,3次の精度になることが分かる.まず によって複製を生成し, を 座標系で と書く.数値例1や2では の 座標 より が大きくな る確率が不偏な確率値になっていた.ここでも同様に
によって を定義する.この 値は である.(係数 はすべて0である.) つまり, である.
より一般的に , , , , , を考えると, この 自身が再び として表現され,係数は , , , である.したがって,この係数を に代入すると, の分布関数が得られる.特に とおくと, であるから, が3次の精度の近似的に不偏な確率値 になることと, は同値であ る.つまり,ここで考えた確率値のクラスで3次の精度を持つのは, との違いが の確率値だけである.この意 味で, -formula (Barndorff-Nielsen 1986)やダブルブートストラップ法 (Hall 1992)から得られる確率値も に等価である.